
伊勢神宮の鬼門を守るとされるお寺、朝熊山の金剛證寺(こんごうしょうじ)にいってきました。奥の院に置かれた卒塔婆は最長約8メートル。ずらりと並ぶその姿はまるで壁!そしてあまりにも巨大な卒塔婆とは対照的に、ひっそりと並ぶ苔むした墓石にも静かに興奮。 お彼岸ということで巨大卒塔婆にお参りにくる地元のひとの姿も垣間見、林立する卒塔婆の迫力となごやかなお墓参りムードがつくる独特な空気にひたってきました!
最大8メートルの巨大卒塔婆林!伊勢神宮の鬼門を守る金剛證寺にいってきた 目次とアクセス
金剛證寺に行くには、伊勢と鳥羽をつなぐ有料自動車道「伊勢志摩スカイライン」を通ります。
というのも、金剛證寺は朝熊山(あさまやま)の中腹、このスカイラインの途中に位置しているのです。有料道路の中にある寺って敷居高いね!伊勢市側の入り口からは車で約15分です。
2011年夏現在、これといった公共交通機関が特に通っていない (時期により例外) ため、車がない場合はタクシーか徒歩でのアクセスです。ただし徒歩の場合、その道程は山登り。体力的には大変だけどその代わりに交通費はタダ!お金が無い元気なひとはレッツトライ。
1. 弘法大師の池と、牛の頭上で小躍りするちっちゃいおじさんに出逢うの巻
金剛證寺に着くと、まず入り口の仁王門に迎えられます。この写真だとちっちゃいけど両脇にちゃんと金剛力士がいるよ。
金剛證寺は仏教のお寺なのですが、室町時代あたりで伊勢神宮(←神社) の鬼門を守る存在として有名になったとか。神道と仏教がごっちゃになった「神仏習合」というやつですね!よく知らないから偉そうに言えないのだけれど、宗教って意外とてきとうな面もあっておもしろいなぁとおもいます。
仁王門をくぐると、池のお庭。
弘法大師が掘った池で鯉にエサをやってみる
約6世紀ごろに当時の天皇によって建てられたのではと考えられている朝熊山金剛證寺。ながーい歴史のなかで、何度もしょぼくれたり盛り上がったりしてきたようです。平安時代には弘法大師(空海) が密教道場として復興させたり、前述のとおり室町時代には伊勢神宮にのっかり気味な存在感を発揮して復活したり、江戸時代には徳川幕府による援助があったり、徳川綱吉のお母さん桂昌院によって修復されたり。そして関わってきた人リストには、なにげなく有名なひとたちの名前が登場します。
というわけで、弘法大師が掘ったと伝えられる池や1672年に作られた340年ものの橋があったりしました。
真偽のほどはよくわかりませんが、とりあえずこの橋は老朽化のためか渡っちゃダメとのことです。
丸い橋渡りたかったなーというざんねんな気持ちを、鯉にエサを与える作業に没頭して鎮めるわたし。エサは庭園内の売店で売ってます。
あふれんばかりの気迫と吸引力で存在をアピールしてくる鯉氏。
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牛の頭上で小躍りするちっちゃいおじさん登場
エサが切れても一向に満腹になる様子のない鯉たちに別れを告げ、庭園の奥へ。
階段を上ります。ちなみにこの写真でチラリと見えている本堂は重要文化財ですが、このあと登場するちっちゃいおじさんに気をとられてこれしか写真がありません。
手が可愛いしなやかな虎像
階段を上った先、本堂の前には左右に動物の像がありました。
右手に現れるのは、虎。来る人来る人なでていくようで、顔がツルピカ。うらやましい。
なでなで。
牛像と牛の頭上で小躍りするちっちゃいおじさんの正体
左手に現れるのは、牛。こちらも顔がツルピカ ……ん?
頭上でちっちゃいおじさんが小躍りしているよ!
これは…大黒天?
【訂正】頭上でちっちゃい大黒さまが小躍りしているよ!
こちらはそばにあった小さな祠。さっきのあとに見たせいで、ウンパルンパの如きちっちゃい大黒さまがどんどこ行進しながら出てくる妄想が繰り広げられました。あー愉快愉快。
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2. 朝熊山金剛證寺・奥の院へ。卒塔婆の供養林でこびとになるの巻
ウンパルンパ大黒を通過し、さらに奥へ進むと、竜宮城を想起させる門があります。
これが奥の院への入口。
その名も「極楽門」。
巨大卒塔婆の林でこびとになった瞬間
極楽門をくぐるとずらりと並ぶ卒塔婆の姿が見えてきます。
おお、これが卒塔婆林!
やっと辿り着いたー。テクテク。
…ん??
なんか、わたし小さくない?
そう、近づくにつれてわかってくる、その卒塔婆の並ぶ姿たるや壁の如し!気分はこびとであります。
朝熊山の「岳参り」と、卒塔婆供養林のようす
金剛證寺の最大の特徴はこの卒塔婆の供養林。
朝熊山では、葬儀のあと山に卒塔婆を立てて供養する「岳参り」または「岳詣」という風習があります。この立て札にも書かれているとおり、「山の中に死者の霊が集まる」という考え方なんだそうです。と、いうことはここにはたくさんの(以下略)
卒塔婆に近づいてみる。
迫力の太さと高さ。この卒塔婆、一般的な卒塔婆と違って断面が正方形ほどの太さがあるので余計に迫力が出るんだとおもいます。「卒塔婆=板」という常識は通用しません。
身長185センチのK太郎氏と比べてもこの高さ!一番大きな卒塔婆は約8メートルあるそうです。2階建ての家くらいですなぁ…。
わんこ連れでお墓参りにきていたファミリー。わきあいあいなお彼岸の家族行事といった雰囲気は一般的な「お墓参り」と同じ。明らかにちがうのは、お参り先の主役が墓石ではなく卒塔婆であるという点ですかね。お供物やお花などは卒塔婆の前に供えられています。
卒塔婆の裏にひそむ苔むした墓石たち
墓石は卒塔婆の裏にひっそりと並んでいました。
あるにはあるのですが、あきらかに卒塔婆よりも手をかけられていない印象。新たに卒塔婆を立てるひとが墓石も同時に立てるのかどうかがよくわからないのですが、いずれにしても、朝熊山ではそれだけ卒塔婆に重きをおいているということなのかしら…。墓石の前にはお供えや花なども無く、大変シンプルでございました。
それにしてもこの苔むした墓石たち! にわか苔ファンの血が騒ぐ…!
奥の院に到達
卒塔婆の林を突き進んだ先にあるのは奥の院。
卒塔婆の申請(?)などはこちらで受け付けているようです。
奥の院内は小さいサイズの卒塔婆がずらりと並んで圧迫感はすくなめ。
張り出されている卒塔婆の価格表を見て、やはり大きさによってお値段も大きく変わるのだなぁとしみじみ思いつつ、再び巨大な卒塔婆たちのはざまをとおって金剛證寺をあとにしました。
勝峰山 兜率院 金剛證寺
- 住所
- 三重県伊勢市朝熊町岳548
- TEL
- 0596-22-1710
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