
かつてのマルタの首都であり主要要塞だった城塞都市、イムディーナにいってきました。現在はサイレントシティ(静寂の町) という異名がつけられた、住民300人ほどの小さな小さな町となっています。過ごしやすい昼下がりにも関わらず、足音がコツコツと町に響きわたるほどの静けさはまさに異名どおり。レモンクリーム色をした石造りの町並みと中世ヨーロッパらしい細い路地が、方向音痴な一人旅デビューをやさしく迎えてくれました。マルタへの超短期留学中に訪れた町シリーズ第2弾です。 (※第1弾は眼と耳がついた珍妙な塔のあるセングレアにいってきた記録です。 併せてどうぞ!)
足音響く「静寂の町」昼下がりさんぽ。マルタの古都イムディーナにいってきた 目次とアクセス
イムディーナはこぢんまりとしながらも堅固な城塞都市です。かつてマルタ共和国の首都として栄えた町並みはそのまま残されつつ、現在は人の少なさとその静けさに歴史の流れをじんわり感じられる素敵なところ。
ふつうに行けば現首都のヴァレッタからも、繁華街のセント・ジュリアンからも、ともにバスで30分ほどです。上の地図はセント・ジュリアンから自動車でいった場合のルート。
「マルタ共和国」そのものについては、当ブログの以下の記事で軽く紹介しているので気になる方はご参照ください :)
1. 紆余曲折を経てサイレントシティ・イムディーナに到着
「セント・ジュリアン(←わたしの滞在先) から乗り換えなしでいけるよー♪」 という学校スタッフの言葉を受けて乗ったバスが間違っていたためにぜんぜんイムディーナじゃない謎の施設前に到着しながら
(どこだったのか未だによくわからない)
一旦ヴァレッタに引き返し、トータル1時間半くらいかけてイムディーナに到着。予想の3倍くらい長旅だった…。
城塞都市イムディーナの外壁と現役の入り口
外側から見たイムディーナ。
堀と城壁に囲まれて堅固なようすがよくわかります。
御者のおじさんが目を離したスキに道草を食う馬車馬くん。
こちらが、イムディーナの町、そして城塞の入口。 小さな入口です。
狛犬の如くライオンが両脇をガッチリ固めています。
これは向かって右側のライオンくん。
城門入ってすぐにダンジョンの看板が。中世の地下牢をそのまま使った、魔女裁判とか拷問とかおどろおどろしい系の展示館らしいですよ。
中世ヨーロッパの拷問なぞ怖すぎて入れませんので見なかったことにしてスルーいたします。
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昼下がりの野良猫を愛でる宇宙人ポール風ふたり旅との出会い
セングレア同様、やっぱりここでも猫が出迎えてくれます。
出迎えっていうか、そこにいるだけなんだけど。
「くぁっ」
「ぺろぺろ」
「ねむっ…」
ひとりで猫の撮影をしていると、『宇宙人ポール』の主人公たちを彷彿とさせるイギリス人男性コンビに話しかけられました。嬉しそうに観光案内所をすごくオススメしてくれるあたりがもう…なんかもう、それっぽい!
そしてやはり2人とも猫好きらしく、ニコニコ猫を眺めたり撮影したりしていました。
「ノーギャラのくせにしつこいわね…慣れてるけど」
スタートから心和む出会い。おかげでひとり旅の緊張が解けたよ~。ありがとうグレアムとクライヴ (本名知らない)!
(※『宇宙人ポール』は、SFオタクのイギリス人青年・グレアムとクライヴが宇宙人のポールと共にトレーラーで旅をする楽しい映画だよ!予告動画はここをクリック!)
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2. いざ!静寂の町イムディーナひとりうろうろ町歩きへ
さあ、宇宙人ポールコンビと別れて町を探検します!
さいしょからこんな小道で始まるイムディーナ。さっそく人影が見えません。
自分の足音が、コツ…コツ…と響きわたります。真昼間なのに!「静寂の町」「サイレントシティ」の異名は伊達ではない…。
石畳はじぶんの姿が少し反射するくらいピカピカすべすべしています。
そして、建物の壁をつくる石はみんなレモンクリーム色。道が細くて日があまり入らないわりに圧迫感がないのは、このやさしい色のせいかも。
人が去っていった町に漂いがちな荒涼感もあんまり無い気がしました。これもレモンクリーム色のせいかなぁ。そんなことを考えながら、のほほんとあてもなくゆっくり歩いてゆきます。
このあとすぐわかったのは、イムディーナはほんとうに小さな町なので、道に迷ってもうろうろしているうちにすぐ出口に辿り着けること。治安も良いし、方向音痴のひとり旅デビュー(←わたし) にうってつけの町ですね!
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イムディーナの教会、聖パウロ聖堂をのぞく
歩いていると、聖堂のある広場にでました。
聖パウロ聖堂。たしか16世紀に建設されて17世紀に再建された教会です。入場料などはありませんでした。
静かで美しい…。立派なドーム。
床に石で描かれたうさぎの紋章。そういえば、うさぎは代表的なマルタ料理の素材です。後日わたしもうさちゃん食べました。
ガラスの綺麗なシャンデリアは、ガラス細工が有名な町だから?
よく見ると、ガラスのお花がくっついていてディテールも可愛い。しかし実際見てたとき目が悪くて気づかなかったから写真これしかない…。うう。もっとよく見ればよかった。これからイムディーナいく予定のある方はわたしの代わりにぜひ凝視してきてください。
ここも外同様、人が少ないのでとてもゆっくり見学することができました。地下には大規模なカタコンベ(地下墓所) があって、そちらも見学できるらしいですよ。
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レモンクリーム色の細い路地で騎士の姿を妄想する
聖パウロ聖堂を出てふたたびうろうろ町歩きを再開します。
聴こえるのはやっぱり自分の足音だけ。住人300人ということすら疑わしいくらい静寂に包まれているよ…。観光客にもあまり出会いません。
堅固な城塞都市らしく、細く曲がった道がつづきます。中世の匂いの染み込んだ空気が漂っているような、ふしぎな気分になってくる。
小さいとはいえかつては首都とされていたイムディーナ。きっと人もたくさんいたのでしょう。
中世では騎士や馬も闊歩していたのかな…。ふくらむ妄想。佇むおじさん。
こんな窓枠があるのは城塞都市だからなのかしらん。
こんなのも。城壁を破って町の中を攻められたときに備えているのかしらん。
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マルタ共和国のカトリックな家
こちらは通りがかった家の玄関上部にあった、聖母子のレリーフ。
マルタは信仰心(とくにカトリック) の強いお国柄のため、イムディーナだけでなく他の町でも、こういった装飾が多くの家にあります。法律的にも最近まで離婚が禁止されていたらしいですよ。
こちらは壁にさりげなくマルタ十字が (写真左部)。マルタ十字の8つのトンガリは「忠誠心」「敬虔さ」などそれぞれ騎士道の心得を意味するとか。ちなみに、マルタの1ユーロと2ユーロ硬貨の裏面はマルタ十字が描かれています。
ユーロ硬貨の裏面は発行した国によって絵柄が違うので、ついウッカリ集めてしまうよね…。
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内陸のイムディーナから地中海まで眺めまわす
さてさて、静寂の中をうろうろしているうちに、町のはじっこに来ましたよ。
そこは、広場になっていて…
良いながめー!
イムディーナは、冒頭の地図のとおり内陸の町なのですが、このときは晴れていて地中海まで見えました。マルタはほんとうに小さな国なんだなぁと実感。
素敵な町並みとこんな景色を見ることができたら、バス乗り間違えてひとりで途方に暮れながらたどり着いた苦労も報われるってもんですよ!ほんとにもう。
マルタ全土を眺めまわして満足したあとは、再び、ひとりコツコツと歩いて静かな城塞都市をあとにしました。
そして後日、こんどは夜のイムディーナを訪れることとなるのですが、それはまた別の記事にて。
とにかく初のひとりウロウロが無事に終わってひと安心!前述したけど、イムディーナは道に迷いようもないくらい小さい町だし、方向音痴のひとり旅でもまったく心配いりません。 たどり着けさえすればね!
2013/3/19追記
夜のイムディーナうろうろ旅行記書きました!昼とはまた違うダークな一面が見られます。良かったら併せてご覧くださいませ~
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